■【建物概要】
・施設名:ホテル、潮彩色旅館「えぐち家」
・構造規模:鉄骨造・3階建て・約1965u
・用途
・3階(客室)
・2階(宴会場・客室)
・1階(玄関・事務所・食堂・厨房・コインランドリー・)
・建設場所:鹿児島県日置市東市来町湯田700-2
■コンセプト
本計画は、「五感に心地よい滞在体験」を主題とした潮彩の宿を目指しています。
海の気配、光の移ろい、湯のぬくもり、食の豊かさ――それらが重なり合うことで、訪れる人の感覚をやさしく解きほぐします。
建築は過度に主張するのではなく、江口浜の風景と呼応しながら、内外の連続性を生み出す媒介として計画しました。自然と人の時間が緩やかに交差し、滞在そのものが記憶に残る体験となる空間構成を目指しています。
■配置計画
計画地は、雄大な東シナ海を正面に望み、日本三大砂丘の一つである吹上浜北端に位置する、極めて恵まれた景観環境にあります。本計画では、この土地が持つ自然の力を建築計画の基軸に据えました。
とりわけ象徴的な夕景は、時間とともに移ろう自然の演出であり、本建築の重要な体験価値です。その魅力を最大限に享受できるよう、建物の軸線、開口計画、室配置を統合的に検討し、すべての客室から沈みゆく夕陽を望める構成としています。建築は風景を切り取り、滞在体験へと昇華させる装置として計画されています。
■客室
客室は、日常からの心理的距離を生み出す“包まれた静けさ”と、“風景へ開かれた視線”の両立をテーマとしています。開口の位置やスケール、室内のプロポーションを精査し、「切り取られた風景」が滞在体験の中心となるよう構成しました。
囲まれた安心感の中で刻々と変化する夕景を味わうことで、時間の流れそのものを感じられる空間を創出しています。ここでの客室は単なる宿泊機能ではなく、自然と静かに対話するための舞台として設計されています。 |